ごあいさつ

 

directorこのたび、堀達也前会長のあとを受けて、北海道博物館協会の会長をお引き受けさせていただくことになりました。

私は1975年~2006年まで国立民族学博物館(大阪府吹田市。以下「博」)で助手・助教授・教授・研究部長・研究センター長として勤務し、梅棹忠夫・初代館長の下で新しい博物館創設の仕事に従事しました。その間、1998年~2007年
には放送大学客員教授として、「博物館概論」「博物館資料論」「博物館経営・情報論」を講じる機会を得ました。さらに2004年には民博の文化資源研究センター長に就任して民博の博物館部門の改革に尽力していましたが、2006年に北海道大学観光学高等研究センター長・教授に就任するとともに、大学院観光創造専攻を立ち上げて、観光学分野の高等研究・教育拠点の確立に努めました。幸い、今年3月末に北海道大学を退職し、堀達也前館長のあとを受けて、北海道開拓記念館の館長に就任いたしました。

北海道開拓記念館は、1971年に開館した総合的な歴史博物館ですが、今年11月に一時休館して老朽化した施設の大規模な改修工事を行うとともに、展示の改修も併せて行い、2015年春に「北海道博物館(仮称)」としてリニューアル・オープンする予定になっています。

開拓記念館はこれまで資料収集・調査研究・展示・教育普及などの諸活動に努めてきました。その間に「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が2008年に国会で採択されるなど、北海道に先住するアイヌ民族とその文化が一層注目されてきており、さらなる研究の推進、最新の研究成果にもとづく展示や学習の機会、情報発信の充実化が求められるようになってきています。さらに、少子高齢化や高度情報化の急速な進展、道民の価値観や学習ニーズの多様化などによって、博物館を取り巻く状況は大きく変化しています。

しかし、道内の博物館の多くは、「学芸員がいないか、いても数が少ない」「特別展を開催していない」「来館者が減少している」「予算が少ない」などの課題を抱えているほか、市町村合併などによる歴史資料等の散逸、産業構造や交通網の転換による地域社会の急激な変動などにより、各種資料の適切な収集・保存が困難な状況になっています。そのため、開拓記念館は道立施設として道内の各地域の博物館単館では限界のある諸活動を支援する役割が強く求められており、「人」「モノ」「情報」の各分野において道内の中核的博物館としての機能強化を図る必要が生じています。

このような背景のもとで、2010年に策定された「北海道博物館基本計画」では、①基本的機能の充実した博物館(わかりやすく・おもしろく・ためになる博物館、文化創造と地域活性化の拠点、道民と連携・協働する博物館)、②北海道の総合的な博物館(自然・環境を含む未来に向けた人間史の博物館、アイヌ文化を保存・継承し未来に活かす博物館)、③道内博物館の中核施設(地域の博物館との連携・協働、人・モノ・情報のネットワークの充実強化)などの基本方針が示されています。この基本計画にもとづいて、北海道博物館実施計画の具体化を現在進めています。

今後、より良いかたちで北海道開拓記念館のリニューアルを実現させていくとともに、道内博物館の中核施設として各地域との連携をますます強化して参りますので、宜しくご協力、ご鞭撻を賜わりますように、心よりお願い申し上げます。

北海道博物館協会 会長 石森 秀三(北海道開拓記念館 館長)